子育てやお花、花育、お花の効果などに
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「進級おめでとう」の裏で揺れる、子どもの心に気づいていますか?春は、卒園や入学など、子どもにとって大きな節目が続く季節ですね。制服やランドセルを前に「大きくなったなあ」と成長を感じる方も多いのではないでしょうか。
一方で「最近、ちょっと甘えん坊になったかも」「朝になるとお腹が痛いと言うようになった」そんな小さな変化に、戸惑いを感じることもありますよね。
実はこの時期、子どもたちは心のクライシス(心が大きく揺れる時期)を迎えやすいといわれています。お祝いムードの中では見えにくい、子どもの心の動きについて、少し立ち止まって一緒に見ていきませんか。
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卒園や入学は、間違いなく成長の証です。でも子どもの立場で考えてみると、実はとても大きな変化が一度に起きています。
幼稚園や保育園は、慣れた先生や友だち、決まった流れのある場所。子どもにとっては「ここにいれば大丈夫」と思える、大切な居場所だったのですね。卒園は、その安心できる世界が終わる体験でもあります。大人が思う以上に、心の中では寂しさや不安が揺れていることもあるのです。
入学すると「もう一年生なんだから」と言われる場面が増えます。守られる存在から、できることを求められる存在へ。この変化は、子どもにとって想像以上に大きなプレッシャーになります。
学校のルール、人間関係、先生との距離感。「どこまでできればいいのか」が見えない状態が続くと、心は自然と緊張してしまいます。
こうした変化が重なり合うことで、子どもの心は一時的に不安定になりやすくなります。これが、卒園・入学期に起こりやすい「心のクライシス」です。
心のクライシスは、必ずしも目立つ形で現れるわけではありません。「困った行動」が出ないからといって、安心しきってしまうのは少し早いかもしれませんね。
たとえば、こんな様子はありませんか。

・急に甘えが強くなる
・朝の支度に時間がかかる
・ちょっとしたことで泣いたり怒ったりする
・お腹や頭が痛いと言う
・食欲が落ちる、または増える
・夜なかなか寝つけない
・「どうせできない」と言う
・失敗を極端に怖がる
・表情が硬くなる
特に気をつけたいのは、とても頑張っているように見える子です。手がかからず、先生の話もよく聞く。そんな子ほど、不安を外に出せず、心の中にため込んでしまうことがあります。

この時期、何より大切なのは、急いで慣れさせようとしないことです。「もう小学生なんだから」「みんなできてるよ」つい言ってしまいがちな言葉ですが、緊張している心には負担になることもあります。
おすすめなのは、気持ちに目を向けた声かけです。「今日はどんな気持ちだった?」「ドキドキしたよね」「分からないこと、多いよね」
正解を教えなくても大丈夫です。気持ちを受け止めてもらえた経験が、子どもの心を少しずつ落ち着かせてくれます。
また、家の中は「何もしなくても安心できる場所」にしてあげたいですね。できなくても、失敗しても、そのままで大丈夫。そんな空気が、心の回復を支えてくれます。一時的に赤ちゃん返りのような行動が出ることもありますが、それは安心を求める自然なサインです。成長が後戻りしたわけではありませんので、どうか心配しすぎないでくださいね。
卒園・入学期の心のクライシスは、悪いものではありません。不安や戸惑いを感じるからこそ、心は成長していきます。大切なのは「不安を出しても大丈夫だった」「話を聞いてもらえた」という安心の記憶です。
その経験は、
・自分の気持ちを大切にする力
・困ったときに助けを求める力
・新しい環境に向かう勇気
へと、ゆっくり根づいていきます。
早く慣れさせるよりも、安心しながら慣れていくこと。この春、少しだけ子どもの心に目を向けてみませんか。そのまなざしが、子どもにとって何よりの支えになるはずです。
