子育てやお花、花育、お花の効果などに
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みなさんは「安全色」という言葉をご存じでしょうか。危険な場所や避難経路などを表す際に誰もがひと目で分かるように示す色のことで、日本工業規格(JIS)によって合計8色が規定されています。その中で黄色は「注意」を意味し、道路標識や踏切、点字ブロックなどに活用されています。
今回は、そんな「黄色」を子どもが安全に過ごすために活かす方法を考えていきましょう。
そもそも、なぜ黄色は数ある色の中でも私たちの目に留まりやすいのでしょうか。
蜂や蜘蛛、魚などで毒を持つ危険な生き物は、あえて黄色のように派手な色にすることで、食べられるのを防いでいます。特に黄色と黒の組み合わせは、色彩の中で最もコントラストが強く、道路標識や踏切でも使われ人の注意を惹いています。
黄色が目立つ理由は、赤・青・緑の「光の三原色」と深く関わっています。この光の三原色によって作り出される色を「純色」と言いますが、純色の中で明度・彩度がともに最も高いのが黄色なのです。つまり黄色は、最も鮮やかで最も明るい色ということになります。そのため一番暗い黒と、一番明るい黄色の組み合わせが一番目立つということがお分かりになると思います。道路標識や踏切が黄色と黒の組み合わせが用いられるのには、こんな理由があるのです。
人の目を惹く効果のある黄色。
見るだけで楽しい気分にさせるビタミンカラーをお子さんの持ち物に取り入れれば、元気や明るさを感じられるだけでなく、危険から身を守ってくれる色にもなります。。
例えば、子供用の傘・カッパ・長靴は、黄色の商品を目にすることも多いと思います。雨の日は日中でも暗く、視界が悪くなりがちです。特にまだ身長の小さい幼稚園児や小学生は車の死角になりやすいため、傘やカッパを目立つ色にすることで事故を防ぐことができます。幼稚園の通園バッグや水泳帽に黄色が多いのも、目立たせることで事故を減らしたい意図が考えられます。
白は明度が最も高いため、黄色と同じように「目立つ色」と思われれがちですが、彩度が低いという点では黄色と異なります。彩度とは色の鮮やかさを表すもので、白は彩度が0なのです。雨の日は風景がモノトーンになるため、彩度が低い白は周囲にまぎれて目立たなくなってしまいます。また、濡れた道路はライトの反射で白っぽく見えることがあります。交通安全の観点から白より黄色が選ばれるのはこのためです。最近はオールホワイトのおしゃれなアイテムも増えていますが、黄色には安全に過ごすためのたくさんの理由が隠されているのですね。
また、内閣府による「小学生の交通事故調査」によると、歩行中の事故が子供の交通事故で約6割を占め、なかでも小学1年生が一番事故件数が多いというデータがあります。そのため、地域によっては小学1年生に黄色いランドセルカバーを配付している学校もあります。また、自転車乗用中の事故は学年が上がるにつれ増加する傾向にあります。自転車の反射板やヘルメットに黄色を取り入れ、未然に事故を防ぎたいですね。
警視庁のHPでは、子どもの交通事故に多いケースとして
・道路横断中
・自宅付近
・夕方の時間帯
・自転車乗用時
・小学生の男子児童
の5つを挙げています。
黄色を身に付けているだけで全ての事故を防げるとは言えませんが、視界が悪い状況でも人の目に留まりやすい色彩効果はぜひ活用していきたいですね。