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2023年11月12日

ギフテッドの子どもたちの特性や見分け方

ギフテッドとは

ギフテッドとは、数学や芸術など何らかの分野で優れた才能をもつ子どものことをいいます。生まれつきの特性であり、早期教育をすることで身に着くものではありません。子育てをしていると誰しも「うちの子、天才かも!」と思う瞬間がありますよね。これは意図的に親が教えたことができた場合に感じることが多いのではないでしょうか?

例えば「数字を1~10まで教えたら、すぐに言えるようになった」「図鑑を一緒に読んでいたら、そのうち内容を暗記した」といった経験が挙げられます。一方で、ギフテッドは「何も教えていないのに勝手にできるようになっていた」という違いがあります。「教えていないのにピアノ演奏をはじめた」「どこで覚えたかわからないが、英会話ができるようになっていた」など、早期教育とは全く別のきっかけでできるようになっているのがギフテッドの特徴です。

そのため「神様からの贈り物」という意味で「Gifted(ギフテッド)」と呼ばれています。あのエジソンやビル・ゲイツもギフテッドだったといわれています。IQなどの数値で診断されるものではなく、明確な判断基準はありません。しかしながらギフテッドのIQは高い傾向にあります。また人口の約2%がギフテッドであるという意見を持つ専門家もいて、これは「クラスに1名いるかもしれない」という計算になります。

ギフテッドの子どもたちの特性や見分け方

アメリカではギフテッドに対する研究や教育が盛んに行われていますが、「世界共通の定義」というものはありません。

あくまで医学的な面からは「英才型」と「2E型」があるとされています。英才型は特定の分野が突出して得意という事はないものの、「数学だけでなく運動も含め何でも万遍なくできる」といったような基礎能力の高さが見られます。

後者の「2E型」はギフテッドの特性に加え、発達障害の特性も持ち合わせています。 ある特定の突出した能力があるにも関わらず、発達障害の特性であるネガティブな印象や苦手な分野が強調されてしまう事も多くあるものです。

お子さんがギフテッドであることに気づくきっかけの1つとして、小学校への入学が挙げられます。「授業中に立ち歩く」「違うことをしている」「うわの空で指示に従わない」「同級生とのトラブル」など、学校からお子さんの問題行動を指摘され、「他の子と何か違う」と気づく親御さんは多いです。発達障害と似た特徴があり、その境界はあいまいです。そのため、ここでは一般的にいわれている「ギフテッドの特性」をまとめましたので参考になさってください。

【ギフテッドの特性】
・好きなことや興味のあることへの集中力が非常に高い(没頭しやすい)
・完璧主義で、細かいところまで気になるがゆえに物事を先に進めることができず、締め切りを守れないことがある
・論理的思考力が高く、考えが奥深い
・リーダーシップをとるのが得意
・他者の感情を読み取るのが得意
・ルーティンワークや反復練習が苦手
・運動やスポーツは得意な傾向がある
・知的水準が高いため、同学年での友人関係が築きづらい

ギフテッドのお子さんは、能力が高いゆえに授業が退屈で苦痛に感じることが多く、一人で別のことを始めていたり、指示通りに動けないようなことがよくあります。それが「落ち着きのない子」と認識され、先生や大人からは問題行動と捉えられてしまいます。また、ギフテッドには漢字や英単語など1度見聞きしたものはすぐに覚えられる子も多く、ノートを取らない、宿題をしないなど、周囲からは「わがまま」「怠惰」に見られがちな行動をとってしまうこともあります。そういったことが原因となり友人関係でのトラブルも多く、同級生と上手く関われない「協調性のない子」として認識されてしまいがちです。早熟な知能に対して情緒の発達が追い付かず、感情のコントロールが未熟な面も持ち合わせています。ギフテッドとは気付かずに生きづらさを感じたまま大人になるケースもあるようです。

ギフテッドの子どもたちに必要なこと

海外でのギフテッド教育は進んでいるものの、日本の学校におけるギフテッドの認知はまだまだ進んでいません。そのため、居心地の悪さから不登校になってしまうギフテッドの子どもも少なくありません。文部科学省はギフテッド教育のための予算を設け、支援の開始を決定していますが、制定に加えて周囲の認知が定着するには時間を要する可能性があります。

では、今できることとしてどのようなものが挙げられるでしょうか。

ギフテッドの子どもたちに必要なことは「安心できる居場所」を作ってあげることです。ギフテッドの子どもは「扱いづらい子」「他とは違う子」という周囲の目に囲まれて過ごすことで強いストレスを感じたり、自己肯定感を育めずにいる子も少なくありません。だからこそその子自身を理解し、認めてあげることが何よりも大切です。

そのためには「学校」という限られた場にこだわらず、柔軟な学習環境を整えてあげることも必要だと感じます。ギフテッドの子どもたちは「自分は今の自分のままで居ていい」という安心感を求めています。また、環境による制限は、その素晴らしい能力の眼を摘むことにもなりかねません。子どもの才能を伸ばしながら、それでも人と共存する上では現実的に起こる困りごとをどう解決するか、一緒に寄り添うことが大切です。

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